明るい太陽の光が部屋に燦々と降り注いでいる。
休日の白昼、月砂荘の201号室である。
これは小説ではなく脱出ゲームである。つまり俺
の紹介をしなくてもプレイに障害をきたすことはない
だろう。というわけで私の紹介は省略させて頂く。
そのかわり何故俺がこの月砂荘201号室に居るかを
説明させて頂こうと思う。
きっかけは川下(かわしも)先輩からの手紙であった。
俺は現在、高校生なのだが、川下先輩とはかつて
同じ部活動に所属していた。今は川下先輩は大学生
となり、リアル脱出ゲームというものを作るサークル
に入り、そこで青春をおう歌しているようなのである
俺の通っている高校は男子校であるため、恋愛で出来
ない。そのため川下先輩のことが少々羨ましい。
しかしそんなことはこのゲームには関係ない。
そして必ずしも川下先輩に恋人がいるとは限らない。
そしてその手紙は次のようなものであった。
『前略
長らく会っていないが元気だろうか。
俺は大学でリアル脱出ゲームを作っている。そして
このたび月砂荘でそれを作ることになった。
月砂荘は俺の住んでいるアパートだ。改造するに
あたって住民がどうのだということは気にしないで
くれ。絶対に気にしてはいけない。
一階は事情により無理だということで二階を改造
することになった。
月砂荘は君の家からも近いだろう。あの川沿いの
ボロっちいアパートだ。是非来てほしい。
来る日時はいつでもいい。
まず最初は201号室を脱出してくれ。では201号室の
鍵を同封しておく。
そして決して住民がどうのだということを気にして
はいけない。
草々頓首』
この手紙を読んだ翌々日、つまり今日である。
俺は月砂荘へと向かった。
月砂荘は有名な花街の路地にあるので俺の
ような高校生一人が入るのは少々緊張した。
高級そうな和風料亭や居酒屋などが並ぶ中、
全く華やかさのない月砂荘は異様に目立ち、
すぐに見つけることが出来た。
月砂荘はかな古色蒼然とした木造三階建て
アパートであった。今にも倒壊しそうで怖かった。
そして俺は二階への階段を上り、201号室へ入った。
そこは月砂荘の外観とは違い、古風でお洒落な部屋
であった。
私はそこで少しくつろぎ、
「この部屋の住人は一体どうしてるんだ?」
などと考えていた。
そして俺は脱出しようとしたのだが、
「脱出するということは鍵がかかっている
ということだよな?」
と思い、ドアを確認してみた。
開かなかった。
入るための鍵でも開かなかった。
脱出せねば。
休日の白昼、月砂荘の201号室である。
これは小説ではなく脱出ゲームである。つまり俺
の紹介をしなくてもプレイに障害をきたすことはない
だろう。というわけで私の紹介は省略させて頂く。
そのかわり何故俺がこの月砂荘201号室に居るかを
説明させて頂こうと思う。
きっかけは川下(かわしも)先輩からの手紙であった。
俺は現在、高校生なのだが、川下先輩とはかつて
同じ部活動に所属していた。今は川下先輩は大学生
となり、リアル脱出ゲームというものを作るサークル
に入り、そこで青春をおう歌しているようなのである
俺の通っている高校は男子校であるため、恋愛で出来
ない。そのため川下先輩のことが少々羨ましい。
しかしそんなことはこのゲームには関係ない。
そして必ずしも川下先輩に恋人がいるとは限らない。
そしてその手紙は次のようなものであった。
『前略
長らく会っていないが元気だろうか。
俺は大学でリアル脱出ゲームを作っている。そして
このたび月砂荘でそれを作ることになった。
月砂荘は俺の住んでいるアパートだ。改造するに
あたって住民がどうのだということは気にしないで
くれ。絶対に気にしてはいけない。
一階は事情により無理だということで二階を改造
することになった。
月砂荘は君の家からも近いだろう。あの川沿いの
ボロっちいアパートだ。是非来てほしい。
来る日時はいつでもいい。
まず最初は201号室を脱出してくれ。では201号室の
鍵を同封しておく。
そして決して住民がどうのだということを気にして
はいけない。
草々頓首』
この手紙を読んだ翌々日、つまり今日である。
俺は月砂荘へと向かった。
月砂荘は有名な花街の路地にあるので俺の
ような高校生一人が入るのは少々緊張した。
高級そうな和風料亭や居酒屋などが並ぶ中、
全く華やかさのない月砂荘は異様に目立ち、
すぐに見つけることが出来た。
月砂荘はかな古色蒼然とした木造三階建て
アパートであった。今にも倒壊しそうで怖かった。
そして俺は二階への階段を上り、201号室へ入った。
そこは月砂荘の外観とは違い、古風でお洒落な部屋
であった。
私はそこで少しくつろぎ、
「この部屋の住人は一体どうしてるんだ?」
などと考えていた。
そして俺は脱出しようとしたのだが、
「脱出するということは鍵がかかっている
ということだよな?」
と思い、ドアを確認してみた。
開かなかった。
入るための鍵でも開かなかった。
脱出せねば。
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