ここは...どこだ?
月砂荘様制作の脱出ゲーム一覧
俺の目の前にはオンボロアパートが建っている。
木造3階建てなのだが、ところどころ出っ張っていたり
へこんでいたりして全体的にいびつな形になっている。
そして今にも崩れてしまいそうだ。いっそのことそうな
ってもいいかもしれない。
何故俺がこんなオンボロアパートに来ているのか。
それは一昨日川下先輩から届いた手紙がキッカケである。
『前略
長らく会っていないが元気だろうか
俺は大学のサークルでリアル脱出ゲームを作っている。
そしてこのたび月砂荘でそれを作ることが出来た。
月砂荘は俺の住んでいるアパートだ。改造するにあたって
住民がどうのだということは気にしないでくれ。
月砂荘の場所は同封の地図を見てくれ。
来る日時はいつでもいい。できるだけ早いほうが嬉しいが。
まず最初は201号室を脱出してもらう。201号室の鍵は同封
してある。
絶対に来いよ。絶対だぞ。
草々頓首』
ちなみに川下先輩はかつての部活動の先輩である。
しかし面倒な事に巻き込まれてしまった------。
まぁとにかく201号室に入ろう。
木造3階建てなのだが、ところどころ出っ張っていたり
へこんでいたりして全体的にいびつな形になっている。
そして今にも崩れてしまいそうだ。いっそのことそうな
ってもいいかもしれない。
何故俺がこんなオンボロアパートに来ているのか。
それは一昨日川下先輩から届いた手紙がキッカケである。
『前略
長らく会っていないが元気だろうか
俺は大学のサークルでリアル脱出ゲームを作っている。
そしてこのたび月砂荘でそれを作ることが出来た。
月砂荘は俺の住んでいるアパートだ。改造するにあたって
住民がどうのだということは気にしないでくれ。
月砂荘の場所は同封の地図を見てくれ。
来る日時はいつでもいい。できるだけ早いほうが嬉しいが。
まず最初は201号室を脱出してもらう。201号室の鍵は同封
してある。
絶対に来いよ。絶対だぞ。
草々頓首』
ちなみに川下先輩はかつての部活動の先輩である。
しかし面倒な事に巻き込まれてしまった------。
まぁとにかく201号室に入ろう。
207号室を脱出した直後、
いいことを思いついた。
1人で脱出するより2人で脱出したほうが
効率がいいのではないか。
というわけで数少ない友達の一人、
鈴木を連行してきた。
「着いたぞ」
「え、マジでココ?
暗っ!」
「しかも
超ボロいじゃん」
「おい、
ここは川下先輩の
アパートだぞ
失礼だぞ」
「誰だよ~」
「ひとまず行こう」
「つーか なんで
俺連れてきたわけ~」
「お前
どうせ暇だろ」
「俺だって
アニメ消化するのに
忙しいんだよぉ!」
「おい
待てってばー!」
本当はお前しか友達がいないからだよ!
「ここだここ」
「涼しいじゃん」
「よし、
脱出するぞ」
「・・・。」
一人で脱出しよう
いいことを思いついた。
1人で脱出するより2人で脱出したほうが
効率がいいのではないか。
というわけで数少ない友達の一人、
鈴木を連行してきた。
「着いたぞ」
「え、マジでココ?
暗っ!」
「しかも
超ボロいじゃん」
「おい、
ここは川下先輩の
アパートだぞ
失礼だぞ」
「誰だよ~」
「ひとまず行こう」
「つーか なんで
俺連れてきたわけ~」
「お前
どうせ暇だろ」
「俺だって
アニメ消化するのに
忙しいんだよぉ!」
「おい
待てってばー!」
本当はお前しか友達がいないからだよ!
「ここだここ」
「涼しいじゃん」
「よし、
脱出するぞ」
「・・・。」
一人で脱出しよう
これまでのおはなし
2階からの脱出シリーズ
とある町に住む高校生"俺"はある日、かつての部活動の先輩、川下から手紙を受け取った。
その手紙には『お前には、俺の住むアパート月砂荘の2階を全部屋脱出してもらう』というようなことが書いてあった。
川下は大学でリアル脱出ゲームサークルに入り、日々人々を閉じこめているらしい。
そうして201号室から206号室を脱出してきた彼に再び手紙が届く。
2階からの脱出シリーズ
とある町に住む高校生"俺"はある日、かつての部活動の先輩、川下から手紙を受け取った。
その手紙には『お前には、俺の住むアパート月砂荘の2階を全部屋脱出してもらう』というようなことが書いてあった。
川下は大学でリアル脱出ゲームサークルに入り、日々人々を閉じこめているらしい。
そうして201号室から206号室を脱出してきた彼に再び手紙が届く。
川下先輩から206号室完成の手紙が来た。
以下が手紙の内容である。
前略
ひさしぶり。元気にしてたか?俺は花粉症で毎日つら
中略
そうだ、そうだ、今回は岡田くんが諸事情により時間
を計ることが出来なくなってしまった。
まあ、時間がわからない程度なら不自由はしまい。
んじゃ
時間が計れなくなったのは岡田君の諸事情のためでは
ないだろう。
おそらく制作者のゲフンゲフン
では脱出しよう。
以下が手紙の内容である。
前略
ひさしぶり。元気にしてたか?俺は花粉症で毎日つら
中略
そうだ、そうだ、今回は岡田くんが諸事情により時間
を計ることが出来なくなってしまった。
まあ、時間がわからない程度なら不自由はしまい。
んじゃ
時間が計れなくなったのは岡田君の諸事情のためでは
ないだろう。
おそらく制作者のゲフンゲフン
では脱出しよう。
204号室を脱出して間もなく、205号室脱出の催促の手紙が届いた。
新年早々いきなり脱出か。
しかしその手紙の送り主はいつもの川下先輩ではなく、
先輩と同じリアル脱出ゲームサークルの三平さんであった。
三平(みひら)さんの手紙によると、
『205号室改造終了会兼忘年会で飲みすぎ、また204号室205号室と連続で作った疲れもあり、倒れました。』
とのことである。
205号室は自分の部屋だということもあり、はりきりすぎたのだろう。
ざまぁみろだ。204号室で俺を騙したバチが当たったのだ。
では205号室も脱出してやろうではないか。
新年早々いきなり脱出か。
しかしその手紙の送り主はいつもの川下先輩ではなく、
先輩と同じリアル脱出ゲームサークルの三平さんであった。
三平(みひら)さんの手紙によると、
『205号室改造終了会兼忘年会で飲みすぎ、また204号室205号室と連続で作った疲れもあり、倒れました。』
とのことである。
205号室は自分の部屋だということもあり、はりきりすぎたのだろう。
ざまぁみろだ。204号室で俺を騙したバチが当たったのだ。
では205号室も脱出してやろうではないか。
先日、川下先輩から手紙が届いた。
また脱出の知らせかと思いきや、まさかのクリスマスパーティへの招待であった。
パーティーを開くほど活動的な友人もおらず、もちろん一緒に過ごすような人なんぞもいない。
暇をしていた俺はパーティーに出向くことにした。
パーティーは、先輩が所属しており、毎回私を閉じ込めるリアル脱出ゲームサークルでもパーティーだそうだ。
パーティーの場所は月砂荘の204号室とのことだった。
何故、川下先輩の部屋である205号室ではなく、隣の204号室なのだろう。
おそらく、現在改造中の部屋が204号室であり、ついでのパーティーもそこでやっちまおう的なノリなのであろう。
月砂荘204号室に到着した。
ドアを開ける・・・・・・ ・・・・・・?なんだかおかしい。
よ~く部屋を見渡してみる。うむ。誰もいない。
・・・・・・誰もいない!?
どういうことだ。パーティーは8時から始まっているはずだ。
今はもう8時半を過ぎている。一体何があった?
ふと足元を見ると小さな紙切れを落ちていた。
手にとって見てみる。そこには・・・
『ごめんね♪クリスマスパーティーは嘘だ。では204号室の脱出を頑張りたまえ~ 川下』
騙された!
また脱出の知らせかと思いきや、まさかのクリスマスパーティへの招待であった。
パーティーを開くほど活動的な友人もおらず、もちろん一緒に過ごすような人なんぞもいない。
暇をしていた俺はパーティーに出向くことにした。
パーティーは、先輩が所属しており、毎回私を閉じ込めるリアル脱出ゲームサークルでもパーティーだそうだ。
パーティーの場所は月砂荘の204号室とのことだった。
何故、川下先輩の部屋である205号室ではなく、隣の204号室なのだろう。
おそらく、現在改造中の部屋が204号室であり、ついでのパーティーもそこでやっちまおう的なノリなのであろう。
月砂荘204号室に到着した。
ドアを開ける・・・・・・ ・・・・・・?なんだかおかしい。
よ~く部屋を見渡してみる。うむ。誰もいない。
・・・・・・誰もいない!?
どういうことだ。パーティーは8時から始まっているはずだ。
今はもう8時半を過ぎている。一体何があった?
ふと足元を見ると小さな紙切れを落ちていた。
手にとって見てみる。そこには・・・
『ごめんね♪クリスマスパーティーは嘘だ。では204号室の脱出を頑張りたまえ~ 川下』
騙された!
今回、川下先輩から送られてきた手紙には、明確な日時が記されていた。
俺はその日時に月砂荘へ行き、玄関で先輩と落ち合った。
しかし約半年ぶりの再会を懐かしむ暇もなく、俺はいきなり目隠しをされた。
どうやら203号室の入口を見られるのはマズいらしい。
階段でコケそうになりながら俺は二階へ連れていかれた。
そして何かが開くような機械音の後、俺は先輩から目隠しを外すように指示を受け、目隠しを外し、周りを眺めてみた。
ここが203号室か------。
しかし何かがおかしい。一体何がおかしいのであろう。
そうか------
ドアが無い。
俺はその日時に月砂荘へ行き、玄関で先輩と落ち合った。
しかし約半年ぶりの再会を懐かしむ暇もなく、俺はいきなり目隠しをされた。
どうやら203号室の入口を見られるのはマズいらしい。
階段でコケそうになりながら俺は二階へ連れていかれた。
そして何かが開くような機械音の後、俺は先輩から目隠しを外すように指示を受け、目隠しを外し、周りを眺めてみた。
ここが203号室か------。
しかし何かがおかしい。一体何がおかしいのであろう。
そうか------
ドアが無い。
8月の眩しい太陽の光が降り注ぐ202号室。
俺の周りをブ?ンブ?ンと蚊が飛んでいる。
何故俺がこのようにかゆい思いをしなければならないのか。
その発端は川下先輩からの手紙である。
『前略
202号室の改造が完了した。
この部屋は外と隔てる壁がない。そのため蚊が大量に
入ってくる。
何故、蚊が多いのか。それは君も分っているであろうが
下に川が流れているからだ。
それにしてもこの202号室は、あそこの橋や河原など
外から見ると異様である。
といってもそれは10月から4月にかけてのみだ。
なぜなら5月から9月だと周りの店と溶け込むのだ。
そう。5月から9月といえば納涼床の出ている季節だ。
この202号室は、あの小川に貼り出した形で作られている。
つまり一年中、納涼床が出ているような感じなのだ。
10月になったら来てみるといい。この202号室だけ異様だ。
思ったのだがこれは許可をもらっているのか?
草々頓首』
ということで俺は今、202号室にいるのである。
『さっきの手紙じゃ、なんで脱出しにゃならんなんぞ
分かんねぇじゃねぇか、コノヤロー』という方は201号室を
プレイすることをお勧めする。納得頂けるはずだ。
さて、脱出せねばならぬということは既に分かっている。
では脱出しよう。
俺の周りをブ?ンブ?ンと蚊が飛んでいる。
何故俺がこのようにかゆい思いをしなければならないのか。
その発端は川下先輩からの手紙である。
『前略
202号室の改造が完了した。
この部屋は外と隔てる壁がない。そのため蚊が大量に
入ってくる。
何故、蚊が多いのか。それは君も分っているであろうが
下に川が流れているからだ。
それにしてもこの202号室は、あそこの橋や河原など
外から見ると異様である。
といってもそれは10月から4月にかけてのみだ。
なぜなら5月から9月だと周りの店と溶け込むのだ。
そう。5月から9月といえば納涼床の出ている季節だ。
この202号室は、あの小川に貼り出した形で作られている。
つまり一年中、納涼床が出ているような感じなのだ。
10月になったら来てみるといい。この202号室だけ異様だ。
思ったのだがこれは許可をもらっているのか?
草々頓首』
ということで俺は今、202号室にいるのである。
『さっきの手紙じゃ、なんで脱出しにゃならんなんぞ
分かんねぇじゃねぇか、コノヤロー』という方は201号室を
プレイすることをお勧めする。納得頂けるはずだ。
さて、脱出せねばならぬということは既に分かっている。
では脱出しよう。
明るい太陽の光が部屋に燦々と降り注いでいる。
休日の白昼、月砂荘の201号室である。
これは小説ではなく脱出ゲームである。つまり俺
の紹介をしなくてもプレイに障害をきたすことはない
だろう。というわけで私の紹介は省略させて頂く。
そのかわり何故俺がこの月砂荘201号室に居るかを
説明させて頂こうと思う。
きっかけは川下(かわしも)先輩からの手紙であった。
俺は現在、高校生なのだが、川下先輩とはかつて
同じ部活動に所属していた。今は川下先輩は大学生
となり、リアル脱出ゲームというものを作るサークル
に入り、そこで青春をおう歌しているようなのである
俺の通っている高校は男子校であるため、恋愛で出来
ない。そのため川下先輩のことが少々羨ましい。
しかしそんなことはこのゲームには関係ない。
そして必ずしも川下先輩に恋人がいるとは限らない。
そしてその手紙は次のようなものであった。
『前略
長らく会っていないが元気だろうか。
俺は大学でリアル脱出ゲームを作っている。そして
このたび月砂荘でそれを作ることになった。
月砂荘は俺の住んでいるアパートだ。改造するに
あたって住民がどうのだということは気にしないで
くれ。絶対に気にしてはいけない。
一階は事情により無理だということで二階を改造
することになった。
月砂荘は君の家からも近いだろう。あの川沿いの
ボロっちいアパートだ。是非来てほしい。
来る日時はいつでもいい。
まず最初は201号室を脱出してくれ。では201号室の
鍵を同封しておく。
そして決して住民がどうのだということを気にして
はいけない。
草々頓首』
この手紙を読んだ翌々日、つまり今日である。
俺は月砂荘へと向かった。
月砂荘は有名な花街の路地にあるので俺の
ような高校生一人が入るのは少々緊張した。
高級そうな和風料亭や居酒屋などが並ぶ中、
全く華やかさのない月砂荘は異様に目立ち、
すぐに見つけることが出来た。
月砂荘はかな古色蒼然とした木造三階建て
アパートであった。今にも倒壊しそうで怖かった。
そして俺は二階への階段を上り、201号室へ入った。
そこは月砂荘の外観とは違い、古風でお洒落な部屋
であった。
私はそこで少しくつろぎ、
「この部屋の住人は一体どうしてるんだ?」
などと考えていた。
そして俺は脱出しようとしたのだが、
「脱出するということは鍵がかかっている
ということだよな?」
と思い、ドアを確認してみた。
開かなかった。
入るための鍵でも開かなかった。
脱出せねば。
休日の白昼、月砂荘の201号室である。
これは小説ではなく脱出ゲームである。つまり俺
の紹介をしなくてもプレイに障害をきたすことはない
だろう。というわけで私の紹介は省略させて頂く。
そのかわり何故俺がこの月砂荘201号室に居るかを
説明させて頂こうと思う。
きっかけは川下(かわしも)先輩からの手紙であった。
俺は現在、高校生なのだが、川下先輩とはかつて
同じ部活動に所属していた。今は川下先輩は大学生
となり、リアル脱出ゲームというものを作るサークル
に入り、そこで青春をおう歌しているようなのである
俺の通っている高校は男子校であるため、恋愛で出来
ない。そのため川下先輩のことが少々羨ましい。
しかしそんなことはこのゲームには関係ない。
そして必ずしも川下先輩に恋人がいるとは限らない。
そしてその手紙は次のようなものであった。
『前略
長らく会っていないが元気だろうか。
俺は大学でリアル脱出ゲームを作っている。そして
このたび月砂荘でそれを作ることになった。
月砂荘は俺の住んでいるアパートだ。改造するに
あたって住民がどうのだということは気にしないで
くれ。絶対に気にしてはいけない。
一階は事情により無理だということで二階を改造
することになった。
月砂荘は君の家からも近いだろう。あの川沿いの
ボロっちいアパートだ。是非来てほしい。
来る日時はいつでもいい。
まず最初は201号室を脱出してくれ。では201号室の
鍵を同封しておく。
そして決して住民がどうのだということを気にして
はいけない。
草々頓首』
この手紙を読んだ翌々日、つまり今日である。
俺は月砂荘へと向かった。
月砂荘は有名な花街の路地にあるので俺の
ような高校生一人が入るのは少々緊張した。
高級そうな和風料亭や居酒屋などが並ぶ中、
全く華やかさのない月砂荘は異様に目立ち、
すぐに見つけることが出来た。
月砂荘はかな古色蒼然とした木造三階建て
アパートであった。今にも倒壊しそうで怖かった。
そして俺は二階への階段を上り、201号室へ入った。
そこは月砂荘の外観とは違い、古風でお洒落な部屋
であった。
私はそこで少しくつろぎ、
「この部屋の住人は一体どうしてるんだ?」
などと考えていた。
そして俺は脱出しようとしたのだが、
「脱出するということは鍵がかかっている
ということだよな?」
と思い、ドアを確認してみた。
開かなかった。
入るための鍵でも開かなかった。
脱出せねば。