私の高校通学は「汽車通」でした。
都会育ちの私は、窓の外に流れる田舎のほんわかした
景色を眺めながら通学するのがとても好きでした。
小学校高学年あたりからぜん息の発作がひどくなった
私は、中学生活に至るまで入退院を繰り返し、
学校も休みがちでした。
そんな私をとても心配した両親はK町にある母の実家へ
私を預けることにしました。
体に良い環境の中で、高校生活をのんびり過ごさ
せようという思いからでした。
そんな中、ほのかな想いが私に芽生えました。
毎朝、汽車の中で本に目を落としている彼...
周りにはいつも友達がいて、明るい笑顔と
元気な声が飛び交っている。
私はただ、その風景を毎日眺めているだけで
幸せでした。
卒業が近づいたある日のことです。
彼が急に汽車から飛び出し、
ホームのベンチに腰をおろしました。とても気分が悪そうでした。
今思うとどうしてそんな事が出来たのか...
私も思わず汽車を飛び降り、彼の顔をそっと覗き
ハンカチを差し出していたのです。
その時、彼の足元に持っていた本が落ちました。
私はそれを拾いあげ渡そうとしたその時...
発車のベルが鳴り響いたのです。
私は急いで汽車に乗り込みました。
でも彼はまるで私を避けるかの様に
別のドアから乗り込んでしまったのです。
本だけが残りました。
あの私の行動が迷惑だったに違いない...
そう考えると悲しくてたまりませんでした。
3学期になり、母が骨折の為入院することとなり
私は実家へ帰らなくてはなりませんでした。
高校への汽車通ももう叶いませんでした。
その後受験した大学に合格し、新たな一歩を踏み出す為
私は、その風景全てを思い出にする事に決めたのです。
ところが...
大学に通い始めたある日のこと。
思い出にしようと思っていたあの姿に出会いました。
私は息が止まりそうでした。
そうだ!本を探さなきゃ!
そしてその本を返して、あの日の事を謝らなきゃ。
都会育ちの私は、窓の外に流れる田舎のほんわかした
景色を眺めながら通学するのがとても好きでした。
小学校高学年あたりからぜん息の発作がひどくなった
私は、中学生活に至るまで入退院を繰り返し、
学校も休みがちでした。
そんな私をとても心配した両親はK町にある母の実家へ
私を預けることにしました。
体に良い環境の中で、高校生活をのんびり過ごさ
せようという思いからでした。
そんな中、ほのかな想いが私に芽生えました。
毎朝、汽車の中で本に目を落としている彼...
周りにはいつも友達がいて、明るい笑顔と
元気な声が飛び交っている。
私はただ、その風景を毎日眺めているだけで
幸せでした。
卒業が近づいたある日のことです。
彼が急に汽車から飛び出し、
ホームのベンチに腰をおろしました。とても気分が悪そうでした。
今思うとどうしてそんな事が出来たのか...
私も思わず汽車を飛び降り、彼の顔をそっと覗き
ハンカチを差し出していたのです。
その時、彼の足元に持っていた本が落ちました。
私はそれを拾いあげ渡そうとしたその時...
発車のベルが鳴り響いたのです。
私は急いで汽車に乗り込みました。
でも彼はまるで私を避けるかの様に
別のドアから乗り込んでしまったのです。
本だけが残りました。
あの私の行動が迷惑だったに違いない...
そう考えると悲しくてたまりませんでした。
3学期になり、母が骨折の為入院することとなり
私は実家へ帰らなくてはなりませんでした。
高校への汽車通ももう叶いませんでした。
その後受験した大学に合格し、新たな一歩を踏み出す為
私は、その風景全てを思い出にする事に決めたのです。
ところが...
大学に通い始めたある日のこと。
思い出にしようと思っていたあの姿に出会いました。
私は息が止まりそうでした。
そうだ!本を探さなきゃ!
そしてその本を返して、あの日の事を謝らなきゃ。
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