オレのじいちゃんは、がっしりとした体格で
声もでかくて まさにこれが昭和のおやじって
かんじの豪快な人だった
盆や正月にじいちゃんちに親戚一同集まると
いつもオレに こう言うんだ
「お前、ちゃんと食ってるのか
ひょろひょろじゃないか
表出ろ じいちゃんが鍛えてやる」
そしてオレはでっかいじいちゃんに
飛びつき 倒そうとする
この頃のオレは 身体が小さくて
今からは想像もつかないくらい
おとなしい子供だったから
いとこ全員でかかっても たおれない
このじいちゃんのことを
ずっと、かっこいいって思っていた
そんな じいちゃんがボケたのは
オレが 高校生の時だった
はじめは、ばあちゃん一人で面倒をみてたけど
そのうち ばあちゃんだけでは大変だろうと
うちに同居することになった
じいちゃんは ずいぶん小さくなっていた
でも ショックだったのは そんなことじゃなく
あんなに仲の良かったばあちゃんのことを
忘れていたことだった
すごく仲のいい二人だったから
オレや父さんのことは忘れても
ばあちゃんのことがわからなくなるとは
思わなかった
・・・・ばあちゃんを忘れるなんて・・・
かっこ悪いよ じいちゃん・・・
ばあちゃんは、毎日毎日じいちゃんに
話しかけ世話をする
話しかけられたじいちゃんは
「どなたか存じませんが
いつもすみませんねぇ」と、こたえる
悲しくないのかと ばあちゃんに聞いてみたら
「何がだい?」って言われた
自分を忘れられて平気なんだろうか?
ある日のことだった
じいちゃんが オレを部屋に呼んだ
なんだろうと思って部屋に入ると
ガチャ!
え? 鍵をかけられた・・・じいちゃんに?
一瞬 わけがわからなかったが
ボケたじいちゃんが 外に出たら大変だ
オレは 急いで鍵を探すことにした
声もでかくて まさにこれが昭和のおやじって
かんじの豪快な人だった
盆や正月にじいちゃんちに親戚一同集まると
いつもオレに こう言うんだ
「お前、ちゃんと食ってるのか
ひょろひょろじゃないか
表出ろ じいちゃんが鍛えてやる」
そしてオレはでっかいじいちゃんに
飛びつき 倒そうとする
この頃のオレは 身体が小さくて
今からは想像もつかないくらい
おとなしい子供だったから
いとこ全員でかかっても たおれない
このじいちゃんのことを
ずっと、かっこいいって思っていた
そんな じいちゃんがボケたのは
オレが 高校生の時だった
はじめは、ばあちゃん一人で面倒をみてたけど
そのうち ばあちゃんだけでは大変だろうと
うちに同居することになった
じいちゃんは ずいぶん小さくなっていた
でも ショックだったのは そんなことじゃなく
あんなに仲の良かったばあちゃんのことを
忘れていたことだった
すごく仲のいい二人だったから
オレや父さんのことは忘れても
ばあちゃんのことがわからなくなるとは
思わなかった
・・・・ばあちゃんを忘れるなんて・・・
かっこ悪いよ じいちゃん・・・
ばあちゃんは、毎日毎日じいちゃんに
話しかけ世話をする
話しかけられたじいちゃんは
「どなたか存じませんが
いつもすみませんねぇ」と、こたえる
悲しくないのかと ばあちゃんに聞いてみたら
「何がだい?」って言われた
自分を忘れられて平気なんだろうか?
ある日のことだった
じいちゃんが オレを部屋に呼んだ
なんだろうと思って部屋に入ると
ガチャ!
え? 鍵をかけられた・・・じいちゃんに?
一瞬 わけがわからなかったが
ボケたじいちゃんが 外に出たら大変だ
オレは 急いで鍵を探すことにした
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