僕は1人会社に残り、明日の会議で使用する書類作りをしている。
午後10時30分、ようやく仕上げ段階に入ることができた。
残す作業はプリントアウトだけだ。
眠気覚ましに買った缶コーヒーを飲み干しプリンターへと向かった。
もう一息だ頑張ろう。気合いを入れなおして徐(おもむろ)にプリンターの
ディスプレイを覗き込むと、用紙切れの表示が・・・・。
いわゆるマーフィーの法則というやつだ。
もしかすると紙が引っかかっているかもしれない。一応トレイを開けてみよう。
・・・・・全てカラだ。こんな事もあるのか。
たしかここに予備のプリント用紙が入っていたな。
あれ?ここもカラッポだ。
一体どうなっているんだ。アンラッキーにも程があるぞ。
僕はしばらくの間、魂が抜けたようにポカ~ンとカラのロッカーを眺めていた。
・・・・・やれやれ。仕方ない地下倉庫から持ってこよう。
僕は地下倉庫の鍵を持って階段を降りた。
・・・・ん?
ドアを開けると中の様子が普段と全く違う事に驚いた。
部屋を間違えたかな?と思いドアに貼られた表札や鍵を確認したが、
倉庫に間違いない。
3日前にも来たがこんな状態ではなかったし、2・3日でここまで
改装出来るとは考えにくい。
中の様子が気になった僕はゆっくりと足を踏み入れた。
カビ臭く湿った風が吹いている。
それにしても不思議だな、ここは確かに備品用倉庫のはずだけど・・・・。
もしかしてキツネにつままれたのかな?・・・な訳ないか。
しかし、たとえここに予備のコピー用紙があるとしても不気味過ぎて
奥へ入る気にはなれないな・・・・。
コンビニで適当なコピー用紙を買ってそれで済ませよう。
そう思いここから出ようと振り返った瞬間・・・・。
突然ドアが勢いよく閉まった。
変だな・・・。風は室内から吹いているのに、外側に開くドアがこんなに激しく
閉まるはずがない。
違和感を感じながらドアノブに手を掛けた。
あれ?開かない・・・・。
お~い!誰か~!お~い!!
何度呼びかけても人の来る気配はない・・・・。
・・・鍵穴がある。そうか、この鍵を使えばいいのか。
慌てて損をした。
参ったな・・・・鍵が合わない。
僕はポケットから携帯電話を取り出した。
しかし圏外だった。
・・・・完全に閉じ込められてしまったようだ。
絶望感の中、以前先輩から聞いたこの会社に纏わる不思議な話を
思い出した。
それは今から30年位前の話だそうだが、1人の男性社員が仕事中忽然と
姿を消し消息不明となる事件が起こったらしい。一部の間では神隠し説も
流れ、以来この建物内で不可解な現象が発生する・・・・といった内容だ。
この話を聞いた時はどこかのホラーマニアの作り話だろうと
思っていたが、今自分の置かれている状況を考えると
実話の可能性もある・・・・。
仮に実話だとすると、この場所が関係しているとも考えられる。
・・・何だか急に恐ろしくなってきた。その恐怖とともに最悪の事態
を想像してしまう。ここが僕の墓場になるの?
いや、既に僕は・・・・・・そんな考えは捨てよう。
試しに思い切り頬をつねってみた。・・・痛い。
生きている証拠だ・・・・と思いたい。
・・・・そうだ。
しばらくして少し冷静さを取り戻した僕はあることに気付いた。
当たり前の話だが鍵穴があるということは、鍵を使えばドアは開くはずだ。
今はこの地下室のどこかにその鍵が存在する事を信じるしかない。
そして僕は鍵の捜索を開始した・・・・・。
午後10時30分、ようやく仕上げ段階に入ることができた。
残す作業はプリントアウトだけだ。
眠気覚ましに買った缶コーヒーを飲み干しプリンターへと向かった。
もう一息だ頑張ろう。気合いを入れなおして徐(おもむろ)にプリンターの
ディスプレイを覗き込むと、用紙切れの表示が・・・・。
いわゆるマーフィーの法則というやつだ。
もしかすると紙が引っかかっているかもしれない。一応トレイを開けてみよう。
・・・・・全てカラだ。こんな事もあるのか。
たしかここに予備のプリント用紙が入っていたな。
あれ?ここもカラッポだ。
一体どうなっているんだ。アンラッキーにも程があるぞ。
僕はしばらくの間、魂が抜けたようにポカ~ンとカラのロッカーを眺めていた。
・・・・・やれやれ。仕方ない地下倉庫から持ってこよう。
僕は地下倉庫の鍵を持って階段を降りた。
・・・・ん?
ドアを開けると中の様子が普段と全く違う事に驚いた。
部屋を間違えたかな?と思いドアに貼られた表札や鍵を確認したが、
倉庫に間違いない。
3日前にも来たがこんな状態ではなかったし、2・3日でここまで
改装出来るとは考えにくい。
中の様子が気になった僕はゆっくりと足を踏み入れた。
カビ臭く湿った風が吹いている。
それにしても不思議だな、ここは確かに備品用倉庫のはずだけど・・・・。
もしかしてキツネにつままれたのかな?・・・な訳ないか。
しかし、たとえここに予備のコピー用紙があるとしても不気味過ぎて
奥へ入る気にはなれないな・・・・。
コンビニで適当なコピー用紙を買ってそれで済ませよう。
そう思いここから出ようと振り返った瞬間・・・・。
突然ドアが勢いよく閉まった。
変だな・・・。風は室内から吹いているのに、外側に開くドアがこんなに激しく
閉まるはずがない。
違和感を感じながらドアノブに手を掛けた。
あれ?開かない・・・・。
お~い!誰か~!お~い!!
何度呼びかけても人の来る気配はない・・・・。
・・・鍵穴がある。そうか、この鍵を使えばいいのか。
慌てて損をした。
参ったな・・・・鍵が合わない。
僕はポケットから携帯電話を取り出した。
しかし圏外だった。
・・・・完全に閉じ込められてしまったようだ。
絶望感の中、以前先輩から聞いたこの会社に纏わる不思議な話を
思い出した。
それは今から30年位前の話だそうだが、1人の男性社員が仕事中忽然と
姿を消し消息不明となる事件が起こったらしい。一部の間では神隠し説も
流れ、以来この建物内で不可解な現象が発生する・・・・といった内容だ。
この話を聞いた時はどこかのホラーマニアの作り話だろうと
思っていたが、今自分の置かれている状況を考えると
実話の可能性もある・・・・。
仮に実話だとすると、この場所が関係しているとも考えられる。
・・・何だか急に恐ろしくなってきた。その恐怖とともに最悪の事態
を想像してしまう。ここが僕の墓場になるの?
いや、既に僕は・・・・・・そんな考えは捨てよう。
試しに思い切り頬をつねってみた。・・・痛い。
生きている証拠だ・・・・と思いたい。
・・・・そうだ。
しばらくして少し冷静さを取り戻した僕はあることに気付いた。
当たり前の話だが鍵穴があるということは、鍵を使えばドアは開くはずだ。
今はこの地下室のどこかにその鍵が存在する事を信じるしかない。
そして僕は鍵の捜索を開始した・・・・・。
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