「これ知ってると思うけど、一応」
次回公演の話題で盛り上がる演劇部の奴らを脇に放心状態でリラックスしていた昼休みの中頃
唐突に目の前に差し出された一枚のメモ。
声の主は部活の先輩ヤギリョーコだ。
一体何の事か状況が理解出来ず、しばし硬直した。
「ほら、受け取りなって」
言われるままに受け取ったメモに視線を落し事態を把握した。
「これって、あの・・・」
「そ、君に"屋上さん"に会って来て貰う事になったから」
・・・次号のためのフィールドワークが自分にまわって来てしまったようだ。
"屋上さん"というのはウチの中学に昔からある怪談でいわゆる七不思議の一つ。
今期あてこんでいた各運動部の成績が振るわず、思いがけず極度のネタ不足に陥った我が部は苦し紛れに七不思議なんてネタに手を伸ばそうとしているわけだ。
古今東西七不思議ってやつにはルールがある。
ええと、今回のやつのルールは・・・たしか・・・
「あの、"屋上さん"って女子じゃないとダメなんじゃ・・・」
先輩はそうね、と頷きつづけた
「だから、ルールを破ったらどうなるのか、その検証って事で」
ひ、ひどい・・・
「というわけで、今日にでもお願いね。報告は今度ノミーティングでいいから。」
一方的に会話を切り上げ、先輩は去っていった。
・・・
なんて部だ、本当に呪われでもしたらどうしてくれるんだ
しかし決まってしまったものは仕方ない、放課後は屋上だな・・・
俺は再びメモに視線を落とした。
『屋上さんメモ』
■屋上さんとは?
放課後一人で屋上に行って上履きがあればそれが屋上さん。
屋上から身を投げて自殺した女生徒の幽霊という噂。
姿は見えず上履きだけが見える、という言い伝え。
■会いに行くのは女子
屋上さんは男子に苛められていたので男子が大嫌い
会いに行くのは必ず女子。
男子が行くと呪われてしまう、らしい
以上。
まぁ、この学校の生徒なら誰でも知ってる内容だ。
こういう検証も新聞部員の仕事って事か。
小さな溜息をつきメモをポケットにねじ込んだ時午後の授業開始を告げるチャイムが鳴った。
次回公演の話題で盛り上がる演劇部の奴らを脇に放心状態でリラックスしていた昼休みの中頃
唐突に目の前に差し出された一枚のメモ。
声の主は部活の先輩ヤギリョーコだ。
一体何の事か状況が理解出来ず、しばし硬直した。
「ほら、受け取りなって」
言われるままに受け取ったメモに視線を落し事態を把握した。
「これって、あの・・・」
「そ、君に"屋上さん"に会って来て貰う事になったから」
・・・次号のためのフィールドワークが自分にまわって来てしまったようだ。
"屋上さん"というのはウチの中学に昔からある怪談でいわゆる七不思議の一つ。
今期あてこんでいた各運動部の成績が振るわず、思いがけず極度のネタ不足に陥った我が部は苦し紛れに七不思議なんてネタに手を伸ばそうとしているわけだ。
古今東西七不思議ってやつにはルールがある。
ええと、今回のやつのルールは・・・たしか・・・
「あの、"屋上さん"って女子じゃないとダメなんじゃ・・・」
先輩はそうね、と頷きつづけた
「だから、ルールを破ったらどうなるのか、その検証って事で」
ひ、ひどい・・・
「というわけで、今日にでもお願いね。報告は今度ノミーティングでいいから。」
一方的に会話を切り上げ、先輩は去っていった。
・・・
なんて部だ、本当に呪われでもしたらどうしてくれるんだ
しかし決まってしまったものは仕方ない、放課後は屋上だな・・・
俺は再びメモに視線を落とした。
『屋上さんメモ』
■屋上さんとは?
放課後一人で屋上に行って上履きがあればそれが屋上さん。
屋上から身を投げて自殺した女生徒の幽霊という噂。
姿は見えず上履きだけが見える、という言い伝え。
■会いに行くのは女子
屋上さんは男子に苛められていたので男子が大嫌い
会いに行くのは必ず女子。
男子が行くと呪われてしまう、らしい
以上。
まぁ、この学校の生徒なら誰でも知ってる内容だ。
こういう検証も新聞部員の仕事って事か。
小さな溜息をつきメモをポケットにねじ込んだ時午後の授業開始を告げるチャイムが鳴った。
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